「しっかり磨いているつもりなのに……」正しい歯ブラシの選び方、お伝えします。

口腔ケア全般

「歯を磨いてもなぜかスッキリしない」という悩みは、実は多くの人が通る道です。ドラッグストアにはさまざまな種類の口腔ケアグッズが並び、何を基準に選べばいいのか悩んでしまいますね。

洋服は試着できますが歯ブラシはそういう訳にはいきません。

たま@歯科衛生士
たま@歯科衛生士

社会人になり、自分自身の健康を自分でマネジメントし始めた皆さんへ、今日から役立つ道具選びをお伝えします。

道具選びの基本を知りましょう!

歯ブラシ:キーワードは「ふつう・フラット・コンパクト」

  • 硬さ: 基本は「ふつう」でOK。歯ぐきが腫れている時だけ「やわらかめ」を選びましょう。
  • 形: 毛先が平ら(フラット)なものが、歯面に均一に当たります。
  • サイズ: 奥歯の裏側まで届くよう、ヘッドが小さめ(親指の幅くらい)のものを選んでください。最近はヘッドの薄さもポイントになります。

「補助道具」はオプションではなく、メイン!

歯ブラシだけでは、汚れの約60%しか落ちません。残りの40%(歯と歯の間)を掃除するために、以下のどちらかを必ずセットで使いましょう。

  • デンタルフロス: 歯と歯がきつく詰まっている人。歯並びが”ずれて”いる人。
  • 歯間ブラシ: 歯ぐきの隙間が少し気になる人。物が詰まりやすい人。
  • タフトブラシ :  斜めに生えている”親知らず”や、歯並びが”ずれて”いる人。

歯磨剤(歯磨き粉)を選ぶ3つの基準

20代なら、将来を見据えた「成分重視」の選び方をしましょう。

  •  高濃度フッ素(1,450ppm):虫歯予防の絶対条件です。パッケージの裏面を確認しましょう。
  •  低研磨・低発泡:泡立ちすぎると「磨いた気」になって時間が短くなります。また、歯を傷つけないよう粒子の細かいものを選んでください。
  •  目的別成分:歯ぐきの腫れが気になるなら「抗炎症成分」、冷たいものがしみるなら「硝酸カリウム」配合のものを。

マウスウォッシュは必要か?

結論から言うと、「あれば非常に良いが、歯磨きの代わりにはならない」です。

  •  役割:マウスウォッシュは、歯ブラシが届かない粘膜や舌などの「お口全体」を殺菌するためのものです。
  •  使い時:寝ている間は細菌が一番増えるため、「寝る直前」の使用が最も効果的です。
  •  注意点:汚れ(プラーク)が残った状態で使っても、細菌の膜(バイオフィルム)に守られた細菌には浸透しません。必ず「丁寧な歯磨き」の後に仕上げとして使いましょう。

磨き方のコツ:力よりも「角度」と「時間」

歯ブラシを当てる角度

  • 虫歯予防には・・・歯の面に対して毛先の角度は垂直。歯ブラシの毛先を歯面にフィットさせて磨きましょう。
  • 歯周病予防には・・歯と歯ぐきの境目に毛先を45度の角度で当てます。ここが一番汚れ(プラーク)が溜まり、出血の原因になる場所です。

歯ブラシの持ち方

  • えんぴつ持ち(ペングリップ)力を入れずに磨けます。

歯ブラシの動かし方

  • 1〜2本ずつ、5mm幅くらいで細かく動かします。
  • 一ヶ所につき10ストローク(往復)動かします。
  • 歯が重なっている所や内側は縦に動かします。縦磨きをする時は歯ぐきから歯に向けて一方通行に動かします。

歯ブラシを当てる圧力

  • 150~200gの圧力は歯ブラシの毛先が広がらない程度です。思っている以上に力を抜いて磨いてみてください。
  • 毛先が広がってしまうのは力の入れすぎです。

磨く順番

  • 上下は別々に磨きます。奥の外側から順番に反対側の奥に向かって動かしましょう。
  • 外側が済んだら内側を磨きましょう。歯ぐきから歯に向けて一方通行に、奥から1本ずつ順番に磨きましょう。
  • 噛み合わせは歯ブラシの角を溝に当てて磨きましょう。

歯磨きにかける時間

  • 時間は最低3分・・・意外と3分は長いです。しかし、前述の「磨く順番」の通りに行うと3分はあっという間に終わります。

初めはなかなか慣れないかもしれませんが、次第にスムースに動かせるようになります。自己流の歯磨きに戻りやすいので1ヶ月は意識して続けてみましょう。

なぜ「自己流」は危険なのか?

長年メンテナンスに携わってきた経験から言える、自己流ブラッシングのリスクは大きく分けて3つあります。

「磨いている」と「磨けている」の大きな差

だいたいの方々が「磨いたのに…」と話します。確かに磨いてはいるのですが、毎回同じ所に残す方がほとんどです。

自分のやりやすいところばかり磨き、利き手側や奥歯の裏など、毎回同じ場所に磨き残し(プラーク)が発生します。そこは虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。

歯ぐきを傷つける「オーバーブラッシング」

良かれと思って強い力で磨き続けると、歯ぐきが下がって(退縮して)しまい、知覚過敏や、根元の虫歯(根面う蝕)を招く原因になります。

歯石への変化を見逃す

プラークは数日で硬い「歯石」に変わります。一度歯石になると、どんなに頑張って自分で磨いても絶対に落ちません。自己流では、この変化に気づかず炎症を悪化させてしまいます。

絶対に虫歯や歯周病になりたくない人へ

歯科衛生士からの目線では、健康な歯を保ち続けている人の共通点はこれだけです。

「寝る前のケア」に集中する

   日中は唾液が守ってくれますが、睡眠中は無防備です。夜の歯磨きだけは「フロス+丁寧なブラッシング+マウスウォッシュ」に時間をかけて行いましょう。

デンタルフロスを「必須アイテム」にする

   フロスを使わないのは、体を洗うのに指の間を洗わないのと同じです。1日1回、夜だけでいいので習慣化してください。

鏡を見て「毛先」を確認する

   感触だけで磨かず、鏡を見て「今、歯と歯ぐきの境目に毛が当たっているか」を目視してください。視覚情報は手の動きを正確にします。

今の努力は、10年後、20年後のあなたへの最高のプレゼントになります。

「自分は自分の歯を守れる」という自信を持って、毎日のケアを楽しんでくださいね。

最後に:歯科医院は「答え合わせ」の場所

社会人になると忙しくなりますが、3〜6ヶ月に一度は歯科医院へ足を運んでみてください。

歯科医院は「痛くなってから行く場所」ではなく、あなたが毎日頑張っている歯磨きの「答え合わせ」をする場所です。プロのクリーニングで一度リセットし、今の自分に最適な磨き方をアップデートすることで、将来残る歯の本数が劇的に変わります。

たま@歯科衛生士
たま@歯科衛生士

自分への先行投資として、今日から「質の高いケア」を始めてみませんか?

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